無在庫転売の価格設定の目安 適正価格ってどれくらい?

輸入転売

輸入販売、物販をやり始めた頃、悩んだのは値付け。あんまり高すぎても売れないし、かと言って安くても儲からないし・・・。

悩みますよね。

さて、どうするか。

値付けは基本高めで

結論から言うと、

  • 自分が望む利益率を決め、その利益率で事務的に値付けしてしまう

これです。あくまで筆者の場合は、ですが。

自分の希望する利益率なので、必然的に値段は高くなります。

高いと思われるのが嫌、なんてのは気にしない

自分で値付けしてて、なんか高くない?と思うかもしれません。が、値段に不満がある人はそもそも買わないですし、割高でも輸入品ですから仕方ないんです・・・ということにしましょう。安くしたところで、文句言う人は文句言います。

むしろ、返品等を考えて予め値付けを高めにしておかないと、返品や不良品が発生した場合の赤字を吸収できません。

競合が増えてきたら嫌でも値段は下がるので、最初は高めにして利益を取り、価格競争になってしまうような商品は相手にしない、というのが筆者のセオリーです。

輸入転売は資金繰りの問題もあります。仕入れ~売上~入金までのサイクルがどんなに短くても1か月はかかります。長いです。クレジットカードで引き落としが1か月くらい先になるとはいえ、売上代金が手元に入ってくるのはそれよりも先。利益が薄いといつまで経っても自転車操業です。

儲からなければ転売なんかやる意味がないので、高めに設定するのは基本です。

薄利多売はやらない方がいい

利益を薄くして大量に売ればいいじゃないか、と思うかもしれません。

薄利多売なら客も喜ぶし自分も儲かるから、と。

確かに、その戦略は一つの方法としてあります。

しかし、輸入転売にそれは向いていません。仕入れ額に上限があるため、薄利多売しようとしてもできないんです。

仕入れ可能額に上限がある=儲けに上限がある

売上が上がれば仕入れに回せる額も増やせるんだから、薄利多売でガンガン回せばいいじゃないか、というのは甘い考えです。

仕入れは、海外から購入する場合は大抵クレジットカードで行います。

となると、「仕入れ額の上限=クレジットカードの枠」になります。

クレジットカードの枠は、多い人でも数百万ではないでしょうか。この枠以上に仕入れることはできません。

また、カードの枠は、多いようで、実際に1か月に回せるのは全体の半分です。

カードの枠がMAX200万の場合、実際に1か月に使えるのは半分の100万円。残りの100万は先月使った分で、当月に引き落としされるまで枠が解放されません。なので、半分で考えないといけません。

この100万で仕入れだけでなく送料もカバーしないといけません。その上で、どれだけ利益を出せるか。

個人の副業でスタートする場合は利益率を高くしておかないと、やる意味がなくなってしまいます。月100万どころか数十万すら儲からなくなっちゃいますからね。

仕入れ値(投資額)に対してどれくらい利益が出るか

一般的な小売業の場合、仕入れ原価は6割とかそれくらいです。売値1000円の商品の仕入れ値は600円とかね。この場合、仕入れの600円から、利益を400円を生み出すことになります。

仕入れできる額は限られているので、効率よく利益を生み出すことは重要です。

このとき、指標になるのが投下資本利益率、通称ROIです。

投下資本利益率(ROI)

投下資本利益率は、仕入れに対する儲けの割合で、計算式は「利益/仕入れ値×100」で算出します。

売値1000円、仕入れ値600円、利益400円の場合、

(投下資本利益率)=400/600×100=約66%

となります。いい感じです。

しかし同じ仕入れ値でも、売値700円、仕入れ値600円、利益100円になると、

(投下資本利益率)=100/600×100=約17%

となります。率が4分の1に減りました。4倍売らないと同じ儲けになりません。

1か月に100万円仕入れた場合、投下資本利益率66%の場合は利益が66万円になります。

しかし投下資本利益率17%だと、100万円仕入れても利益は17万円にしかなりません。

同じ仕入れでもこれだけ差が出ます。価格競争が進むと、さらに厳しくなるかもしれません。

売上を伸ばすことは大切ですが、投下資本利益率の低い商品は儲かりにくいです。そもそも儲けるために副業するんですから、売上を大きくすることよりも利益額を増やすことに注力しましょう。

利益が生活費で消えてしまわないように

薄利多売だと、カードの枠をフルに使って100万分仕入れてるのに10万円しか儲かってないよ!という状態になります。これはやばいです。

月10万でいいってんならそれでもいいかもしれませんが、それくらいだと生活費なりちょっとした設備投資で消えちゃいますよね。

カードを限界まで回してるなら、最低でも数十万は粗利がないと、新しいこと(仕入れ先や新商材)に手を出しにくくなってしまいます。

今はいいかもしれません。しかし、いつか必ず、ライバルが出てきます。そうなると必然的に売上は減りますし、価格も下がってしまい粗利が減る可能性も高いです。

そのまま同じ商品だけで利益が増えていくことは考えにくいですが、ライバルが参入して利益が減ることは容易に想像がつきます。

転売を続けていくには、新しい商材や売り方にチャレンジしていかないと、先細りしかありません。

薄利多売競争からは勇気ある撤退を

薄利多売というのは価格競争のなれの果てです。そこで生き残ることができるのは、仕入れや人件費が安い中国セラーだったり、儲けは月数万円でもいいというようなスーパー薄利多売ヤーぐらいです。そんな争いからは撤退しましょう。

せっかく見つけた商品なのに~と思うかもしれませんが、仕方ありません。

ただ、価格競争で全員撤退して再び空白になってることもありえるので、たまにチェックしましょう。

消費税という罠

罠というか、忘れてはいけないポイントです。年間の売上が1000万円を超えてからの話になりますが・・・。

お客さんが払う商品代金の中には、消費税が含まれています。2020年現在は10%ですね。

この消費税分は、本来は売上ではなく、消費税という税金を預かってるだけなんです。預かってるだけなので、後で納めないといけないんです。

事業を始めた当初であれば、売上としてそのまま全部懐に入れることができます。が、それはあくまで最初の頃だけ。事業が軌道に乗ってきたら、納めることになります。

消費税は、売上が1000万を超えた年の2年後から納めることになります。

これ、かなりでかいです。

消費税はどれくらい払わないといけない?

消費税の計算は実際にはもっと複雑なのですが、イメージを掴むために参考までに。

仮に消費税が10%として、売上1100万円、仕入550万円の場合。

  • 仕入れ時に払った消費税=50万円
  • 売上時に預かった消費税=100万円

差し引き50万円を、翌年の確定申告で納めないといけないんです。

売上1100万円の中から、消費税分50万円。これはでかい。

しかも、たとえその年が赤字であっても納めないといけません。あくまで預かったお金ですから、黒字だろうが赤字だろうがお構いなしです。

ついでに、輸入転売の場合は仕入れが海外なので、仕入れ時には消費税を払ってません。でも、売上の中には消費税が含まれてます。つまりどういうことかと言うと、

仮に消費税が10%として、日本での売上1100万円、海外からの仕入550万円の場合。

  • 仕入れ時に払った消費税=0円
  • 売上時に預かった消費税=100万円

となるので、消費税100万円を納めることになります。消費税だけで中古車が買えそうです。

実際には、売上5000万円までであれば簡易課税制度が選択できるので、仕入れ時の消費税を考慮してもらえますが、いずれにしても、消費税分を見越して利益を乗せておかないと、2年後に消費税で大損失・・・なんてことになっちゃいます。

輸出転売は還付を受けられる

輸入転売は消費税を納めないといけませんが、逆のパターン、つまり輸出転売の場合は、消費税の還付を受けることができます。

ざっくりですが、仮に消費税が10%として、海外売上1100万円、日本での仕入550万円の場合。

  • 仕入れ時に払った消費税=50万円
  • 売上時に預かった消費税=0円

となるので、仕入れ時に払った50万円を還付してもらうことができます。

消費税対策は必須

輸出転売の場合は還付を受けられるケースがあるんですが、輸入転売だと払う一方になるので、消費税対策は必須です。

簡易課税制度とかあるので、売上が1000万超える場合は対策を講じておきましょう。

タイトルとURLをコピーしました